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目標管理について 2007/09/04(火)
AGP行動科学研究所の長谷川さんの文章です


今回は、目標管理について書きますが、はじめにお断りしておきますが、かな
り独断と偏見に満ちていると思われますので、気にいったとこだけお汲み取り
くださいね。(笑)では、はじまり、はじまり。

目標管理制度は、なぜ、モチベーションが下がるのか?

よく目標管理をしているところへお邪魔すると、「モチベーションが下がって
困ってます」などというお話をお聞きします。私から言わせると、そりゃ、下
がるだろうと思うのです。それは、なぜか?
理由は、いろいろあります。まず、目標管理そのものの捉え方が、間違ってい
ます。まず、そのあたりをご説明します。
目標管理制度は、みなさん、ご存知のように、ドラッカーが紹介したものです
が、あれは、「目標による管理」というもので、個人のモチベーションをアップ
させるため、自主的に目標を設定させて、管理して行こうという非常にすばら
しい理念に基づくものでした。ですから、アメリカの大学では、モチベーショ
ンのところで紹介されるようです。

しかし、日本では、どういうわけか、「ノルマ管理」になりました。目標を持
たせて(あてがって)それを達成させるシステムになったのです。また、アメ
リカでは、ボトムアップの仕組みとして運用されていますが、日本では、トッ
プダウンの仕組みとして運用されています。これでは、モチベーションが上が
るはずは、ありませんね。それと、目標管理は、本来、自主性がある組織風土
(個人が自律している)でないと機能しない仕組みといえます。なぜなら、個
人の自主性を尊重して、運用されてこそ、本来の崇高な理念を実現でき、モチ
ベーションがアップされるからです。ということは、個人の職業的成熟度が低
い組織では、そもそも運用が難しいということになります。で、そんな組織で
もやろうとすれば、強制力を発動して運用となりますよね。これが、目標管理
でモチベーションが下がる本質的理由だと思うのです。

とはいえ、企業には、目標が必要です。この制度をなんとか都合の良いように
使いこなす努力が始まりました。それが、日本式目標管理制度です。各社それ
ぞれの工夫で、出来上がっていきました。ほんと、日本は、こういうパターン
は、得意ですね。コンピテンシーもそうですが・・・。

しかし、やはりこの取り組みは、少し運用に無理がありますから、どうしても
モチベーションが下がります。一方、企業の目標を達成するための制度として、
位置付ければ、どうしても目標をトップダウンであてがうことになります。ボ
トムアップ的に運用するには、職業的成熟度の高い組織風土が必要です。です
から、多くの企業では、ノルマ管理的目標管理となりました。また、目標管理
を回すうえで、運用スキルが非常に問題となります。それも目標管理がうまく
いかない原因となります。

具体的には、管理職の目標設定スキル、行動計画策定スキル、進捗・活動管理
スキル,評価スキル、面談スキルなどです。これだけの運用スキルを持っている
管理職がそういるわけではありません。また、仮にいたとしても業務負荷が管
理職に非常に重くのしかかっています。さらに、プレーイングマネージャーの
方は、数字を追うだけで大変というのが本当のところではないでしょか。

今まで説明してきたように、目標管理は、それ自体でかなりの矛盾と運用の難
しさをかかえています。この制度を企業が行う目的は、ひとつには、目標を達
成させるため。もう一つは、人事評価を行うためです。しかもそれがやる気や
意欲をもって取り組んでもらえれば、生産性も上がるだろうという思想がある
からでしょう。しかし、実際には、やらされ感や自己防衛本能を呼び覚ます結
果となっています。当然ですよね。へたな目標を設定したら、それで責められ、
賃金に影響しますからね。(笑)このあたりの失敗例は、枚挙の暇もありません。

では、どうすればよいのか。どうすれば、人的生産性を上げられるのか。

私見ですが、一つは、目標管理を単なるコミュニケーションのツールと割り切
り、人事評価制度として使わない。へたに評価・処遇をいれるから、本来の上
司と部下のPDSAのサイクルを回せないことになります。目標を達成するた
めに、常に日々のPDSAを上司と部下が回すのが大切なのであって、それが
できれば、この制度の意味としては、充分といえます。

もう一つは、こちらの方が本筋なのですが、戦略性のある目標管理にするとい
うことです。

どういうことかというと、企業として、今、一番問題なのは、売上が上がらな
い。収益がでないという現状なのです。日本全体が成熟市場に入っているとい
うことです。この時、必要なことは、今までの顧客に提供してきた価値を見直
し、価値の再構築を行わなければ、なりません。そうしないと売れないわけで
す。今まで、成功してきたビジネスモデルが顧客価値とズレが生じてきたとい
うことです。それを修正していかないと売れないことになります。
これを日本の事業所得で連続10年の高額納税者ナンバー1の斎藤一人さんの本
などにも独特の表現で、わかりやすく語られていますから、一度、読まれると
いいですよ。問題は、そのことにいかにいち早く気づけるかということです。
得てして、自分のことは、わからないものですよね。企業も個人も自己評価と
他者評価をとらないと気づけないものなんですよ。

但し、企業の場合、気づけないと売上の激減となって、現れますから、大変な
ことになっていきますよね。今という市場がどういう段階か俯瞰する目が経営
者には、求められます。よくある景気循環サイクルで、何もしなくて耐えてた
ら、また、良くなるという甘い考えをしていると、気がついたら、倒産すると
いう結果を生むことになります。変化するリスクよりも変化しないリスクが大
きい時代になったと思ってくださいね。しかも、その変化は、ドッグイヤーと
言われるように、加速度を増していますね。

少し話が脱線したように思うかもしれませんが、ここからが、本題です。
今まで申し上げましたとおり、市場が急速に変化しているわけです。ということは、それに対応した付加価値を
提供できなければ、顧客から見放されるわけですね。しかし、どうでしょう。それに気づかず、今までどおりの
仕組みで対応していたら・・・・。当然、,ズレを生じ、現象面では売上の激減などを生じます。
これは、マーケティングの仕組みやマネジメントの仕組みを変えないと対応できなくなりますよね。どこに
合わせ対応するかといえば、それは、顧客の求める価値を提供するわけです。

しかし、現実の組織は、どうかというと一部の成長している組織を除けば、制度は後づけで、遅れて対応しますね。
そうすると、今までどおり、ズレたマーケティングの仕組みやズレたマネジメントの仕組みのまま、変化に対応す
ることなく、しかも気づかず、過去と同じパターンを繰り返しています。

目標管理制度でいえば、そもそも目標と捉える価値が顧客価値とズレていたら、根本がズレることになります。
そんなズレた目標管理を実施しても、パーフォーマンスが上がるはずがありませんよね。今、大切なことは、
目標そのものよりも、何を目標と設定するかということです。つまり、目標設定能力です。
これは、本質的な問題意識といえますよね。

今、企業に求められるのは、顧客価値をどのように、マーケティングとマネジメントの仕組みの中に取り込む
かという経営の視点からの仕組みづくりではないでしょうか。人事のみの視点の制度から経営の視点での仕組みへ。

そこで、現れたのが、バランスカードなるもの。キャプランやノートンが編み出した手法で、目標を短期と
長期の指標で見ようという視点です。具体的には、財務、業務改革、人材(成長と学習)、顧客の視点で見ていこう
というものです。企業の競争力を維持してゆくために、バランスよく戦略や目標を管理してゆこうというものです。

確かに、これは優れた視点だといえますし、こういう手法を取り入れていくことはよいと思いますが、これも
運用するには、ある程度の人材の質があって、できる手法ではないかと思います。

どういうことかといいますと、問題なのは、論理思考力や問題解決能力、さらに先程、申し上げました目標設定
能力など日本人は、おおむね苦手だと思うのです。

そういう運用スキルは、訓練しなければ伸びません。それをたいした研修もせずに、急に、やれと言われても
できるはずがありません。目標管理も多かれ少なかれ、その運用スキルがなく、失敗しています。

さらに、業務がどんどん増えていっています。無駄な業務もたくさんかかえたまま、惰性でやっている意味の
ない仕事をそのままにして、新たな業務を追加されてもできません。こんな管理職の悲鳴が聞こえそうです。

そこで、提案ですが、まず、無駄な業務を洗い直して、職務の価値を再定義してはいかがでしょうか。
顧客の視点からみて、価値ある仕事とは何か。その優先順位は、どうあるべきか。
上司から見て、部下から見て、どうなのか。その優先順位は、どう並ぶのか。

この実験をしたスーパーがあるそうです。そうすると、面白い結果がでました、少し紹介すると、
例えば、トイレ掃除という仕事があります。
これは、お客さんから見ると、スーパーを選ぶ時、非常に大きな要素になっていたんですね。
ところが、従業員にとっては、たいして重要じゃない業務に位置付けられていたそうです。
上司は、まあ、お客さんに近い視点で、位置付けていました。
どうでしょう、こんなことたくさんあなたの会社でありませんか。

従業員が価値の低い仕事だと思って、トイレ掃除をいい加減にやってたら、どうなるでしょう。
お客にとっては、そのスーパーを選ぶ、重要な選択要因ですから、悪影響がでるかもしれませんね。
上司は、部下にどの仕事も大切だといっても、やはり、納得度合や個人の価値観で優先度は、異なります。
特に上司と部下のギャップがあれば、あるほど、仕事に対する価値や位置付けが異なり、そのことが
原因で業務に支障がでます。

みなさんの会社は、大丈夫ですか?

また、この事例だけではなく、よく見かける事例は、言葉の意味が統一されずに、使われています。
例えば、戦略、経営、マネジメント、マーケティング、目標、目的、問題、課題など
普段、当たり前に使っている言葉ですが、これも人によって、様々なイメージがあります。
それを定義しないままに、会議してもみんなそれぞれ違うことを話していることになります。
結構、こんなこと多いんですね。まず、言葉合わせをすることですね。

それから、全員が何の為に、この目標をやらなければ、ならないのか。その意味と価値を捉えることが
重要ですよね。目的はなんなのか。狙いはどこにあるのか。なぜ、それをしなければならないのか。
この会社は、どこを目指しているのか。

こんなことがわからないと人は、やる気がでません。その方向が正解かどうかが問題なのではなく、
目的やビジョンがないから、示されていないと人は、どうしていいか不安になります。やる気も
でません。結構、多いですよね、日本の会社は。いえ、国もそうですよね。(笑)

実現可能性のあるビジョンや目標があると、人は、動きだします。いえ、実現可能性がなくても
いいのです。錦の御旗が必要です。それがないのに、やれ目標だと言われても消化試合の
ようなもんなんですね。だから、できるだけ早く、全員でビジョンを共有するための研修や
ビジョンづくりの研修をやる方がいいですよね。

さて、最後にもうひとつ提案があります。

人が本当にやる気を出すためには、成長欲求を刺激する必要があります。そこで、常に
制度や仕組みの中に学習する仕組みが必要になります。

具体的に言うと活躍している人がどんな行動をとっているのか。
どんな案件をどういうふうに、処理しているのか。
どんな時間の使い方をしているのか。また、案件ごとの費用対効果はどうなっているのか。

これらの内容は、活躍している人だけではなく、みんなが純粋に知りたい内容なのです。

どんな人も怒られるより、誉められたいですよね。しかし、学習の仕方がよく分からない
から、成績が悪いのです。上司が悪いと責めても仕方ありません。上司もよくわからない人かも
しれません。(笑)それらのことをITを活用してつくれば、いいのです。実際、知人で
こういう仕組みを作っている人がいますが、効果の程を聞くと大変成果が出ているそうです。

今風には、ナレッジマネジメントとかいうのかもしれませんが、大事なのは、この仕組みを
個人が学習し、成長するために、自由に使え、かつ、使いこなせるように教育することです。

管理の為のツールではなく、個人がやる気をもって、現状を分析し、業務を改善するツールとして
活用することを目的の主眼におく。もちろん、結果的には、管理ツールにもなるでしょうが、
減点主義か加点主義かでは、組織の活性度や風土が変ります。
そういう意味でもっとも大切なことは、場(信頼の)づくりです。人が集まって、企業ができていますが
どんな人がそこに集うかは,企業の価値観が決めるのです。その価値観がない、もしくは、不明瞭な
会社が多いのも事実ですよね。常に人材を活かす視点をもってくださいね。

今、もう一度、自社を振り返って、何が大切か見直されてはいかがでしょう。

戦略性のある目標とは、要するに、今の価値を見直し、ミッション、ビジョンなどの上位目標からの
連鎖を個人レベルまで繋がりが見えるようにし、個人やチームが学習できる仕組みをつくり上げていくこと
です。そのために、様々な定義や基準が必要になりますが、それを現場から作り上げていくことが重要です。
人事主導では、やはり、経営の視点よりも人事の視点のものになり、ズレが起こりがちです。
その意味で、アクションラーニングによる人事制度づくりが今後、重要になるかもしれませんね。
人事とか営業とか言っている時代ではなく、経営の視点での融合が必要となりつつあります。
だって、みんな同じ船に乗っているクルーですから。

長くなりましたが、今回のテーマのお話を終わりたいと思います。独断と偏見に満ちたお話でした。
わかりにくいことや納得できないこともおありでしょうが、お許し願いたいと思います。
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