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パフォーマンスをあげるコンピテンシー活用について 2007/09/04(火)
AGP行動科学分析研究所の長谷川さんの文章です。

「パフォーマンスを上げるコンピテンシー活用について」の2回目は、人材育成についてです。

コンピテンシーを人材育成に、どのように活用するのか。そのことをお伝えし
ます。

前回も採用のところで書きましたように、コンピテンシーには、開発が困難な
もの、やや困難なもの、開発できるものの3種類あります。人材育成で考慮し
なければならないことは、その個人にとって、どういうことが開発しやすいか
ということです。

開発が困難なコンピテンシーをいくらやれと言われてもできないのです。企業
もこのご時世に、無駄な投資をやっている暇もお金もありません。その意味で、
今後、本当に効果の上がりそうなものに、研修はシフトされていくことになり
ます。その際、重要なのが、個々人のアセスメントになります。

その個々人に合わせて、いったいどういう研修をするのか、また、どういうプ
ライオリティで実施するのか。そういった個々人の能力を把握した人材のポー
トフォリオが大切になります。例えば、あなたが戦争する時、自らの戦力を棚
卸するでしょう。企業は人なりと言われますが、人材のポートフォリオがあな
たの会社にありますか。

えっ、今は、平和だから、関係ないよって。そんなこと思っていませんか。今
は、確かに平和だけど(最近、少しきな臭いけど)経済戦争していますよね。
血が流れないけど、ある意味、戦争しているんです。しかも、グローバルに。

企業に、いろんな人材を揃えないといけない理由もそこにあります。同じよう
な人材ばかりだとちょっと変化が起こると対応できなくなるんです。

先のことは、誰にもわかりませんから、予期せぬ出来事が起こった時に、いろ
んな人材がいれば、対応できるわけですね。世界的大企業は、やはり、人材の
バランスが非常に良いという調査があります。しかし、中小企業ほどやはり、
そのバランスは悪く、何かに突出しています。まあ、成長過程では、何かに突
出していないと伸びられませんから、それもある部分仕方がないことではある
のですが・・・・・。

ただ、先程と矛盾することを言うようですが、部署によっては、同質化してい
る方が、いい場合もあります。それは、営業という部署は、そういうことがあ
ります。なぜ、営業は、そうかというと、営業という部署は、すぐにまとまり、
行動に移すということから、同質化した人材の方がまとまりやすいということ
があるためだと思います。

弊社で、様々な企業を調査した結果、やはり、部署による人材の配置がありま
す。営業と反対に企画などは、みんな違う特性を持つ人材の方が、コンセンサ
スをとるには時間がかかりますが、その分、企画が洗練されてきますので、よ
い結果がでるようです。

このように、人材のバランスは、部署により、また、全体の構成によっても問
題となります。まず、将来に備えつつ、現在の自社の人材のバランスをつかむ
ことが重要です。

少し話しがそれましたので、元に戻します。

ということで、コンピテンシーの開発が容易なもの、やや困難なもの、困難な
ものを把握する必要があります。では、一般的に、どういうふうにアメリカで
は、分類されているのでしょうか。ある調査によりますと、


開発困難なもの   率先行動、イノベーション、インテグリティと誠実さ、
ストレス・マネジメント、柔軟性、概念化思考力など

やや困難なもの   成果重視、意思決定のクォリティ、影響力、対立の解決
          戦略的思考力、分析的思考力、組織力学の理解など

容易なもの     サービス重視、チームワーク、業績マネジメント、技術
的専門能力効率の高い仕事ぶり、ほかの人の開発など

となっています。

では、どのように、人材育成していくのでしょうか。
基本的には、考え方として経験によるものとトレーニング・研修や実務などに
よる努力の積み重ねによるものに分かれます。(重なり合うので、そんな厳密に
切り分けれないが・・・・)

経験によるものは、リーダーシップやマネジメントの発揮の仕方などですね。
トレーニング・研修・実務の努力系のものは、各職務に必要なコンピテンシー
ですね。考え方としては、そんな感じになっています。


これらのことから、人材育成を行う場合、まず、個人のアセスメントを行い、
持っているコンピテンシーを把握し、個人ごとに、プライオリティをつけ、「
どのコンピテンシーをどういう開発手法で行うか」を検討することになります。


ここで、また、話は少し逸れますが、このコンピテンシーを習得する能力、即
ち、コンピテンシーの親ともいわれるコンピテンシーがあります。それがメタ
コンピテンシーと呼ばれるものです。

具体的には、適応力と自己認識力(自己の気づき)です。

例えば、適応力も高く、自己認識力も高い人は、どんな環境になってもその変
化に対応して行こうとします。しかも自己の気づきが高いため、自分を常に革
新していけるわけですね。ですから、どんな状況になっても必要なコンピテン
シーを習得し,対応してゆけます。

ところが、その逆の適応力が低い、自己の気づきの低い人は、偏屈で頑迷にな
るため、硬直化し、必要なコンピテンシーを習得してゆくことができません。
いわば、恐竜のような人ですね。時代に取り残されます。

では、適応力が高く、自己の気づきのない人はどうなるのか。適応力はありま
すから、とりあえず、状況対応してゆきますが、それがなんのために必要なの
か、という本質の理解や目的意識がないため、変化に流されてゆくことになり
ます。企業やチームを意図して変化させてゆく力はありません。

最後に、自己の気づきが高く、適応力が低いという人は、どうなるのか。この
人は、気づきがある分、できない自分への焦燥感を感じることになります。


ちなみに、日本型人事制度の場合、どういう能力を伸ばしてきたかというと、
一般教養のある人材を採用し、ジョブローテーションでいろんな部署につける
ことで、適応力を身につけさせてきました。あらゆる状況に対応できるように
してきたわけですね。まあ、それはそれで良かったんですが、ところが、自己
の気づきは、なかったんですね。ここでいう自己の気づきは、自己認識力(ア
イデンティティ)という意味です。

自分の価値観に基づき行動し、影響を与え、社会や企業を変化させてゆく力は
弱いわけですね。今後、物事の本質に対する理解や目的意識などを考えさせる
教育が必要となるのではないでしょうか。「何の為に生きるのか」「何のために
働くのか」「自分は、どうなりたいのか」。そう簡単に、答えのない問いに、答
えられる人材育成が必要なのかもしれない。

ところで、メタコンピテンシーを企業に置き換えて考えると結構、当てはまる
ことがあるんですね。どういうことかというと、まず、適応力を市場の変化へ
の対応や顧客志向、業務革新などのマーケティング系の課題解決(能力)とし、
自己への気づきを自社のビジョン、ミッション、バリュー、戦略、などのマネ
ジメント系の課題解決(能力)とすると、(少し無理があるかもしれませんが)

市場が変化して、顧客の意識が変化しているにもかかわらず、過去の成功モデ
ルから変化対応できない企業が多いのではないでしょうか。企業においても気
づきのない変化対応のできない企業は、生き残れない時代となっているのでは
ないだろうか。


また、話を個人に戻すが、適応力は、ジョブローテーションなど若いうちに人
材にある程度の負荷をかけて育成できるが(かけ過ぎるとツブレル)、自己への
気づきは、なかなか気づけない。気づくには、常に問題意識を持ち、(自己革
新意欲を持って)謙虚になって、考え続けることが大切だ。

しかし、人間なかなか思い込みや偏見などがあって(バカの壁?)気づけない。
そこで、一番早く気づけるキッカケとなるのは、他者からのフィードバックで
す。そういう理由で、弊社でも「アウェイク」というコンピテンシーツールを
開発し、リリースしています。自分を他者からどう見えてるかを客観的に把握
できるようにし、気づきのお役にたてればと考え、開発したものです。気づき
がないと、行動は変えられないのです。

いずれにしても、個人も企業もメタコンピテンシーの開発こそが重要なテーマ
となっています。


さて、脇道が長くなりましたね。(ほっといたら、どこまでいくねん)

ここらで、コンピテンシーについての理解も深まったと思いますので、今度は、
コンピテンシーの弱点というか誤解を少し述べたいと思います。


それは、コンピテンシーさえ導入すれば、業績が向上するという類のお話です。


これは、よくイチロー選手の例え話で、説明されています。つまり、イチローの
選球眼、ミート力、リスト力、野球に関する考え方、脚力などの要素分解したモ
デルリストを見ても、なんらイメージがわかず、業績向上には役立たないという
ものです。これなら、ビデオでも見て、全体のイメージを掴む方が役立つように
思いますね。

コンピテンシーについて考え違いしているのは、まさに、この点なんです。

前回もお話したマクレランドの考えた手法は、主に採用すべき人材と採用すべき
でない人材の各特性を明確にし、採用選考をソリューションするのに役立った。
どんな人がその職務で優秀な成績を上げているのかを特性的に列挙してまとめた
わけだ。そして、そのコンピテンシーを作るには、職務分析の方法をとらなけれ
ばならない。その簡便法が「クリティカル・インシデンツ・テクニック」(重要事
象法)だ。これは、業績に寄与する要因だけを拾うという簡便法で、これがコン
ピテンシー手法の基礎になっています。

コンピテンシーで、「高業績者の行動特性」が列挙されてもその有機的繋がりを理
解されなければ、業績の向上というものには、役にたたない。また、その職務で必
要な知識やテクニカルスキルなども通常除外されるため、職務によっては知識やス
キルが重要な場合は、コンピテンシーをモデル化してもそれだけでは人事管理は不
十分となります。

以上のことから、私がお勧めするのは、人材育成の場合は、コンピテンシー概念の
考え方を利用されてはいかがだろうか。(個人的見解)

つまり、「高業績者の行動特性」のみにとどまらず、ノウハウレベルまで落とし込む。
「具体的にどういう状況でどのように行動、知識、スキルを発揮し、どのような表現
でそれを伝え(セールストークや言い回し)、考え対処しているのかを調査します。
また、各フェーズごとの行動件数や時間の使い方などを記録し、高業績者の時間の使
い方や行動の仕方、案件提案のデータをオープンにします。これらは、IT化すると全
員で見れますから、情報共有できます。

さらに、できれば、高業績者の成果を出す仕事のスタイルを分析し、分類します。

例えば、営業なら、フットワーク型、人間関係型、企画型、アナリスト型など様々
な成果を出すスタイルがあります。その成果を出しているスタイルを新人教育に利
用します。

つまり、同じようなパターンで成果を出しやすい新人だと判断すれば、その仕事の
スタイルをモデリングさせるのです。昔から、職人の世界で技術を「盗め」といわ
れますね。しかし、なんの興味も関心もない人やとても真似られない人の技術をま
ねたり、盗んだりする気にならないでしょう。その気になるのは、自分もあの人の
パターンをまねたいと思うかどうかです。(尊敬されてるかどうか)

例えると内向性の思索型の人が外向型のフットワーク型の人のスタイルは、真似る
気にならないのです。成果を出す仕事のスタイルの分類にあたっては、個人の志向
性や個人の資質を見ると、その参考になる手がかりを発見できます。このように、
成果を出す仕事のスタイルで配置を行い、新人教育を行えば、上司と部下の関係も
スムーズになると思います。(ほっといても盗んでくれるからね)


以上、人材育成は、一朝一夕にできるものではありません。まして、コンピテンシ
ーを導入してもそんなに簡単に人材育成ができるわけでは、ありません。
ただ、これからの企業の明暗を人が握っていることも変りありません。企業が今後、
生き残る為には、人材に応じたきめ細かい育成計画と資質やコンピテンシーを見極
めた無駄のない効果・効率的な投資が必要になると思われます。いや、それ以前に、
企業のメタコンピテンシーが問われているのかもしれません。
みなさんのご健闘をお祈り申し上げつつ、筆をおきたいと思います。
次回は、評価・処遇についてです。
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